ニセイカウシュッペ山(茅刈別川本流)【DAY2】
太陽と共にお目覚め。夜は寒かったけど焚き火の灯りに癒された。
進んでも進んでも終わりが見えないゴルジュ。体力的にも精神的にも辛いものがある。1時間以上登ってから後ろを振り返っても、まだテン場が見えるんだもん。冷たい岩にしがみ付き、指先に神経を集中させる。じっと岩肌を見つめると、次第に突破ルートが見えてくる。五感が研ぎ澄まされて、自分の限界値が鮮明になる。落ちるか落ちないかのギリギリを攻めていく。もう9月も終わる。とにかく寒い。
初めてハーケンってやつを岩に打ち込んだ。今までただのお飾りだったんだけど、ようやく役に立った。たった一枚のハーケンだけど、イザという時に有効な沢装備。フリクションを優先するために、テムレスグローブは履かず、どの滝も素手でトライした。ガンガン指を突っ込んだので、擦り傷あかぎれだらけ。汚い手のひらになっちまった。おかげで指先の皮が厚くなったよ。
ようやくゴルジュを突破。一同安堵する。長いゴルジュの中で泊まれそうなところは1~2箇所しかない。今回は運良く、1270の崩落地点に土砂が溜まっていたので野営地とした。ここまで到達できなければ、マジでビバークしかない。ゴルジュ甲子園の突破だけで7~8時間は見ておいた方が良い。
源頭部に出ると流木パラダイス。その向こうに赤く色づいた平山~アンギラス~ニセカウの稜線が見える。
鹿が食べた残したフキの茎がたくさん生えていた。最後は簡単な詰め、体力勝負。
夏道に合流して一気に山頂へ。風が強い。適当に写真撮ったらダッシュで下山。
ニセカウの登山道は初めて歩いたが、尾根上にまっすぐ作られていて、木道とか余計な構造物が少なくってめちゃくちゃ走りやすい。ちょうど他の登山客が下山した後だったのでぶっ飛ばした。超快適。またここを走りにきたい。森の中素晴らしい。空気がオイシックスで気持ちよかった。
一人では絶対に無理だった。沢登りの醍醐味は、信頼できる仲間と「技術力・精神力」を合わせて攻略していく達成感でございます。
本日もありがとうございました。