愛別岳
有給休暇ぶち込んで山に行く不良です。季節外れの暖気予報だが、早朝の北面なら雪は生きているだろう。ということで、愛別岳へ。
深夜0時に遠軽発。バナナを齧りながら、大雪森のガーデンへ。農道は500mほど除雪されていて、少しお得な気分。入山は午前2時。モービル跡を1キロほど利用し、別れたあとは真っ平な大雪原へ。星降る夜空を見上げながら、進路はまっすぐ南。風が強いけどなま暖かい、まるで春の如し。正面には月光に照らされた愛別岳が美しい、振り返ればニセイカウシュッペ山も見える。実に素晴らしいロケーションの中、トレースを伸ばしていこう。ザ・北海道って感じ。心のノイズが消えていく、そんな特別な時間が心地よい。雪原の次は森の中の林道を進む。突き当たりのカーブで林道を外れ藪の中へ。まだ雪が少なく難儀する。上空から聞こえる風の音が一段と強くなってきた。わざわざ有給使ったんだが、今日は大丈夫なんだろうか、と不安になる。登ってみてからのお楽しみだ。白川を渡渉し、尾根を登り、針葉樹帯を越えたら東の空が徐々に白んで来た。同時に西から猛烈な地吹雪で動けない。躊躇なく地獄オペレーション始動。ガラス砂の様な雪質も相まって、なかなか足が前に出ない。風が止まる隙を突き一歩一歩標高を上げるが、何度か転んで顔面雪まみれになる。ただ体感温度は高く、視界もクリア。厳しい風だが、敗退する理由にはならない。防風を優先し、沢の中にルートを取る。クトーも装着して攻守は完璧。ただただ、ピーク目指して登っていく。山頂直下に入り、ようやく風が緩んだ。最後の堅雪急登を攻略し、大雪山の大展望とご対面。ここまで6時間、諦めないで良かった。視界のあるうちに滑って帰りましょう。強風の中、慎重かつスピーディーに滑走準備完了。ゴープロのスイッチを入れて、愛別北面へダイブ。爆風の中でスピードに乗り、パウダーを食う。まだ雪は生きていた。依然として風が強く、向かい風(西向き)方向へはターンできない。急いで安全地帯に避難だ。うるさいダケカンバ帯を抜ければ、森の中は快適。あとはトレースを辿るだけだが、何ヶ所かすでに消えていた。林道に合流したら日射の影響で湿雪。シールを付けて歩いたが、ノン・シールの方が早かったかもしれない。気温もプラス。風が吹くたびに樹上から雪爆弾が投下されるので怖かった。空襲地帯を抜ければ、最後は大雪原を歩くだけ。重い雪をベタベタ踏み固めて歩く。途中で出会ったモービルのおっちゃんが「防寒テムレス」と「地獄ゴーグル」を使っていてなんだか親近感を覚えた。お腹ぺこぺこのゴール。行動時間は9時間半。
下山後直行したラーメンよし乃は臨時休業!(休業率高くないか?)セブンで小腹を満たしながらの帰路、道の駅で足湯に浸かり、いつもの山岡家で辛味噌中盛。なんだかんだ満足な1日だった。
最高点の標高: 2117 m
最低点の標高: 634 m
総所要時間: 09:54:10